2009年5月9日土曜日

夏来たる

  
  
  
春の話をし終わらないうちに
夏が来てしまった
 
いつも夏は唐突で
大人が時折見せる場違いな真顔みたいに
力で空気を支配してしまう
  
  
春風はもう頬をなでることなく 
どこかに消えてしまい
   
街はすこし気後れ気味ながら
太陽に焼かれて夏のにおいを放つ
  
 
そして少しずつ大きくなる
夏の足音